日産の新型「ノート」

 半導体不足による自動車減産の影響が国内の新車販売市場にじわりと広がり始めた。最需要期の3月末に向けて新車販売台数全体のボリュームが膨らんでいく中で、日産自動車「ノート」とホンダ「フィット」の登録台数が減産の影響で伸び悩んでいる。特にノートは、2月半ばにも4WDモデルを投入する計画だったものの、当初予定より1カ月近く遅れるなど、降雪地の日産ディーラーにとって手痛い状況。スバルも減産が足元の新車登録に響いており、各陣営とも年度末に向けて納期と在庫を両にらみした対応が続きそうだ。

 昨年12月に全面改良したノートは、発売後1カ月の受注台数が月販目標の2・5倍に当たる2万台超に積み上がるなど、順調なスタートを切った。ただ、販売現場からは「納期が遅れている。モデルによっては通常よりも1~2カ月ほど余分な時間が掛かっている」(日産系ディーラーの販促担当者)との声が漏れ始めた。

 実際、年度末に向けて右肩上がりで販売台数が伸びるはずの2月実績は、前年同月比16・9%減の7246台(日本自動車販売協会連合会調べ)にとどまり、1月を下回った。半導体不足だけでなく、2月に発生した福島沖地震による工場の稼働停止が重なったことも響いている。

 また、4WDモデルの投入遅れも降雪地のディーラーの業績に打撃となりそうだ。当初は2月の投入を予定していたが、半導体不足によって3月半ばにずれ込む見通しだ。日産系ディーラーの役員は「3月末までにどれだけ登録できるのか。今年度決算に響きそうだ」とし、在庫車の販売を強化し、影響を最小限に抑えたい考えだ。

 ホンダのフィットも2月の販売台数は同29・7%減の5782台とノート同様に1月より少なかった。「3月末まではメーカーと販社の在庫でやりくりできる」とするホンダ系ディーラーもあったが、工場からの出荷台数に影響が出ており、グレードなどによって納期が長期化している。一方、主力の軽自動車「N―BOX(エヌボックス)」は、数カ月先の販売を見越してディーラーがメーカーに発注する「計画仕入れ」の仕組みを採用していることもあり「ほぼ予定通り供給されている。影響はほとんどない」(ホンダ系ディーラー役員)という。

 スバルも2月の登録車販売が前年同月比11・0%減の8374台と5カ月ぶりのマイナスに陥った。昨年、全面改良して発売した新型「レヴォーグ」の効果で販売会社での営業活動が活気づいているものの、商品供給の遅れが発生している状況だ。2月のレヴォーグの販売台数は3677台で、前月より約1千台少なかった。販売各社では今後、長納期化した顧客へのフォローを徹底していく構えだ。