東日本大震災からまもなく10年を迎える。東北支社員として取材活動に当たった当時のことを今でも覚えているが、まさに「光陰矢の如し」である。中でも強烈な記憶として残っているのが、津波で壊滅的な被害を受けた宮城県石巻市での取材だ◆海水、ヘドロ、工場から流出した化学薬品などの臭いが鼻をつく。日中にも関わらず、普段耳にする雑多な生活音はほぼ聞こえず、まるで…