メルセデス・ベンツ日本(MBJ、東京都品川区)は、電動車やSUVを中心に販売攻勢をかけている。電気自動車(EV)「EQC」に続き、「EQA」の年内投入に向けて動き出す。SUVのラインアップ拡充も図る。外国メーカー車の新車販売台数で6年連続トップを走るMBJの上野金太郎(うえの・きんたろう)社長に今年の方針を聞いた。(織部 泰)

 ―新型コロナウイルスに翻弄された昨年を振り返ると

 「総括すると、しっかりできた1年だったと思う。ただ、販売店においてはコロナ禍前に比べて工程数が増えた。初めて対応することが多く、大変な1年だった」

 ―1月末には新型「Sクラス」を発表したが

 「発表した時期は緊急事態宣言下で、さまざまな点で制約があった。7、8年に1回に行われるもので、本来ならばマスコミやお客さま向けにイベントを開催したかったが、どれも計画通りにはいかなかった。宣言が出ていなければ、感染症対策を施した上でイベントを開催しようと予定していた。オンラインの画面上では、実際の質感などを伝えきることができない」

 ―2021年の新型車投入予定は

 「Sクラスを含め今年は、5車種以上を投入する。EVは1車種を入れる。EVでは、EQCとEQAで勝負していく。EVは、早期に台数を増やしていきたいと考えている」

 ―今年の方針は

 「新型車とSUV、EVを中心に売っていく。加えて高性能モデルのAMGもしっかり売っていく。販売力では、うちのネットワークはかなり強い。インポーターとしてはしっかりと車両が供給できるよう体制を整えていく。コロナ禍で数字が読み切れない部分もあるが、今年は19年実績の販売台数を超えるようにやっていきたい」

 ―中長期的な視点では

 「ドイツ本国の方針と同様に、電動化にシフトしていく。向こう3~5年は、内燃機関を残す一部車種と電動化する車種とに分かれていくと見る。そのため、大事な3~5年になっていくかと思う。日本のEVは、チャデモという独自の規格があり、諸外国に比べ開発の工数が多くかかるため、苦労しているところではある。EVやマイバッハ、AMGなどをしっかりと売っていく」

 「構想段階ではあるが、将来的にEVやマイバッハ、Sクラスに特化した施設をつくっていきたい。東京や大阪などにある『メルセデス・ミー』のような施設で、皆さまに各ブランドの世界観を理解してもらうため取り組んでいく」

 ―正規販売店での取り組みは

 「黒を基調とした新しいコーポレート・アイデンティティー(CI)の導入を進めている。お客さまが入りやすい店づくりを徹底して行っている。継続的に新CIへの切り替えを実施していく。人員体制については、プロダクトエキスパートに加え、『EQエキスパート』という制度を設け、EQシリーズを丁寧に説明していく」

 ―中古車の状況は

 「中古車販売は、伸長しており新車販売台数の半分弱の台数を販売した。今年は、昨年よりも多くの台数を販売していきたい」