E-アクスル

 日本電産は、欧州市場でモーターを生産する工場の新・増設を、セルビアに集約する方針を明らかにした。電気自動車(EV)向け駆動用モーターを生産するために新設するセルビア工場を中心に、欧州のモーター生産ネットワークを展開する。EV用駆動モーターシステム「Eアクスル」をはじめとする車載向けや、家電向けのモーター生産拠点を集約し、物流効率化を含めて生産性向上につなげる。同社では、欧州市場を中国市場に次いで電動化が加速するエリアと見ており、EV向けモーターの生産拠点を集約して競争力の高い製品を供給できる体制を整える。

 欧州でEV向けモーターやEアクスルの生産能力の増強に向けて、セルビアに拠点を集積することを検討する。既存の工場は維持するが、モーターの生産能力を増強するために新・増設する工場は、セルビア工場近隣に展開して集約する。欧州では電動化が加速する見通しで、同社は今後、EV向け駆動用モーターやEアクスルの生産体制を大幅に増強する見通し。

 同社が工場を新設する条件として、十分な土地が確保できることや物価が安くて安定しており、就労者の質が高いことなどを重視している。同社のポーランドなどの生産拠点では、人材確保が難しいことなどが課題となっている。セルビアは「就業者の質が良く、治安も良い」(日本電産・関潤社長)ことから、新・増設する拠点を集約することにした。

 同社では、M&A(買収・合併)を積極的に展開し、世界で200以上の生産拠点を持つものの、生産拠点同士が離れていることで生産性が低いケースもある。今後、高い成長が見込まれるEV向けを中心とするモーター事業で、欧州市場では生産能力を増強するための工場を集約して、生産性向上を図り、競争力の高い製品を供給する体制を整える。中長期的には中国や米国でも同じ方針で新拠点を展開していく予定だ。

 同社グループの複数の生産拠点が集約している中国・平湖市は「日本電産村と呼ばれるほど拠点が集まっている」(関社長)状況で、生産性は高いという。平湖市では、車載モーターのほか、Eアクスルの生産がすでに始まっており、今夏には新たなEアクスルの工場も立ち上げる予定。今後、新・増設する生産拠点は、既存の工場に集約して収益力を強化する方針だ。