自動運転車の保安基準の審査は複雑化している(写真はイメージ)

 政府は、自動運転車に関する型式認証審査の合理化を推進する。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)事業として今年度で実施中の無人自動運転車の型式認証制度関連の実証で得たシミュレーションなどの手法を、今後、「レベル3」(条件付き自動運転)の審査にも適用する方針。国としては自動運転車の解禁に合わせてすでに審査体制を整えているが、手法をさらに高度化することで安全性を担保しつつ型式指定制度の簡素化を図る。

 政府は、デジタル技術の進展に合わせた規制の見直しを進めている。この一環として、2020年度予算では「規制の精緻化に向けたデジタル技術の開発」に28億3千万円を計上。モビリティ分野は、将来的な自動運転「レベル4」(限定条件下での完全自動運転)以上の無人自動運転車の市販化を想定した型式認証手法の開発を狙う。NEDO事業として、独立行政法人・自動車技術総合機構が参画する。

 自動運転車の型式を巡っては、国土交通省が昨年11月にホンダ「レジェンド」に対して型式指定を行った。審査に当たっては、交通安全環境研究所と連携しながら、国連規則(UN規則)に準拠したシミュレーションや公道走行のほか、自動車メーカーからの設計思想のヒアリングなども実施した。

 天候や道路環境、運転者の状態などあらゆる条件下で安全性を担保するためには、一つ一つのシーンに対して国内保安基準に適合しているかを審査する必要があり、作業が複雑化する傾向にある。

 このため、国交省では自動運転車の型式認証審査の合理化を進める。NEDO事業で実施している無人自動運転車の安全性評価に関する実証で得たデータやシミュレーション試験のノウハウを、レベル3の型式認証審査へと反映していく可能性を探る。