コロナ禍でカーシェアのニーズも変化しつつある

 カーシェアリング各社が、アフターコロナを見据えた事業強化に本腰を入れている。最大手のパーク24は、レンタカーとカーシェアを融合した「タイムズカー」の展開を本格化。レンタカー車両のカーシェア化を進めることで、車両の稼働率を引き上げて車両台数も大幅に増やす計画だ。オリックス自動車(上谷内祐二社長、東京都港区)は、3月からカーシェア大手で初となるサブスクリプション(月定額)型の料金プランを開始した。リモートワークの普及で在宅時間が増える中、手軽に日常使いできる定額プランを打ち出し、郊外で増加傾向にある個人の短時間利用ニーズを取り込む。

 コロナ禍が続く中、カーシェアの需要は堅調に推移する。2020年4、5月には緊急事態宣言による外出自粛などの影響で大幅な落ち込みに見舞われたものの、7月以降は公共交通機関を避けた移動需要を取り込み始めた。パーク24の会員数もコロナ禍でも順調に伸ばし、20年10月には前年と比べて約20万人増え、150万人を突破した。

 こうした中、同社が強化するのが、レンタカーとカーシェアの融合だ。レンタカー車両にもカーシェア同様の通信端末を搭載し、15分単位で無人で貸し出せる「タイムズカー」として運用するものだ。今年4月からは、カーシェアサービスの名称も「タイムズカーシェア」から「タイムズカー」に変更し、両サービスの垣根を本格的に取り払っていく。

 タイムズカーは予約状況に応じてレンタカーを含めた車両を複数拠点で融通できるため、利用が集中する日時や場所でより多くの需要を取り込め、車両の稼働率向上につながる。新たな生活様式によって自動車利用の需要も変化する中、モビリティ事業全体の資源を柔軟に最適配置できる体制を整えれば、市場のニーズに対応しやすくなる。

 昨年12月の決算説明で、パーク24の西川光一社長は「すべての車をカーシェア化していく」とし、モビリティ事業をカーシェア型で展開していく方針を示した。有人のレンタカー店舗については、チャイルドシートの貸し出しやスタッドレスタイヤ装着などオプション提供の拠点として活用していく。

 同社の20年10月時点の車両総台数は4万4841台で、前年と比べて22%減少した。このうちカーシェア車両台数は2万7033台と、前年とほぼ同水準を維持した。こうした中、カーシェアとレンタカーのメリットを取り入れたタイムズカーへの転換を進め、今年10月末には車両台数を5万8千台まで引き上げる。

 利用拡大に向けて大胆な戦略に打って出たのがオリックス自動車だ。3月1日から個人会員を対象に導入する「個人平日定額プラン」は、1回あたりの利用時間が3時間以下のプランであれば、月額9900円(消費税込み)で何度でも利用できる。定額の割安プランを打ち出しことでコロナ禍によるリモートワークなどで自宅時間が増えたファミリー層に訴求する。

 同社によると、コロナ禍によって働き方などが変化したことで、個人会員の平日利用が拡大しているという。20年7月以降は、前年同月と比べて3~4割増で推移した。特に増えているのが、家族の送迎など短時間利用だ。個人利用の7割近くが6時間以下という。サブスクプランでは、1回の利用が3時間以下と6時間以下の2種類を用意した。

 「従量課金ではどうしても(利用者は)家計を気にしてしまう。使いたい時に好きなだけ使えるプランとした」(商品企画担当者)。日常生活で気軽に利用できることを強みとする。昨年6月から20~30歳代の新規会員が増加していることから、サブスクプランの投入で新規会員のさらなる獲得に弾みをつけたい考えだ。