ホンダが欧州に投入する「HR-V」

 日系自動車メーカーが欧州市場への電動車投入を加速している。ホンダは新型「HR―V」(日本名=ヴェゼル)を全車ハイブリッド車(HV)として2021年後半に投入するほか、日産自動車は新型「キャシュカイ」に電動パワートレイン「eパワー」を欧州で初めて設定して今夏に発売する。欧州で厳格される環境規制への対応として、日系メーカーが強みとしているHVの商品投入を加速し、欧州メーカーに対抗する構えだ。

 欧州では各国政府が購入補助金を増やしたことなどにより、電動車の販売が伸びている。欧州自動車工業会(ACEA)によると、20年の欧州連合(EU)全体の乗用車販売のうちHVは11・9%で、19年(5・7%)から増加。電気自動車(EV)は10・5%を占め、前年の3・0%から大きくシェアを伸ばし、EV比率がHVに迫る。EUでの環境規制の強化により、電動車の需要が今後も伸びるとみて、日系自動車メーカーもHVやEVを積極的に投入する。

 ホンダは、欧州で販売するすべての主要車種を22年までに電動化する方針を掲げている。「CR―V」や「ジャズ」(日本名=フィット)に続き、18日に世界初公開した新型ヴェゼルにも、2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」を採用した。同車種は日本でe:HEVと1・5㍑ガソリンエンジンを用意する一方、欧州向けはHVモデルのみとし、電動化シフトの姿勢を鮮明にする。

 日産は新型キャシュカイに欧州初のeパワーを設定。可変圧縮比(VCR)ターボエンジンの技術を発電用エンジンに適用して効率性を高める。また、マイルドハイブリッドシステムを組み合わせた1・3㍑直噴ターボエンジンもラインアップし、ユーザーの用途や好みに合わせた選択肢を提供する。

 欧州メーカーによる投入が相次ぐEVに関しても日系メーカーは後を追う。マツダは、環境規制に対応するため昨年9月に「MX―30」のEVモデルの販売を欧州で開始。丸本明社長兼最高経営責任者(CEO)は「EU各国の頑張りにより1万台販売した」と、手応えを示している。

 ACEAが公表した21年1月の新車販売台数は、前年同月比25・7%減の76万2407台に落ち込んだ。新型コロナウイルスの感染再拡大を受けたロックダウン(都市封鎖)の影響が響いた。コロナ禍で新車市場が低迷する中でも、電動化への流れは継続することから、メーカー各社はEVやHVなど幅広いラインアップを提供して、電動車普及につなげる。