いすゞの商用車コネクテッド情報プラットフォーム概念図

 物流業界が直面する課題解決に向け、車載通信機を搭載した商用車の車両情報を活用する動きが広がっている。いすゞ自動車と運行管理サービスなどを行う子会社がそれぞれ持つ車両データを統合し、新たな情報プラットフォームを構築。日野自動車は走行情報から顧客情報まで各部門が持つデータを一元化し、活用の輪を社内外に広げる取り組みに着手した。車載通信機を搭載した〝つながるトラック〟の普及が進む中、ビッグデータを活用したソリューションビジネスを確立することで、収益を支える新たな事業に育てる狙いだ。

 日野やいすゞは国内で販売するトラックのほとんどに車載通信機を搭載している。リアルタイムに把握できる車両情報や位置情報は、主に運行管理や予防整備サービスなどに活用し、運送事業者の安定的な稼働を支えている。一方、ドライバー不足など物流業界が抱える課題が深刻化する中で、各メーカーはこうしたデータの活用範囲を広げて対応を進める。

 いすゞでは現在約30万台分のコネクテッドトラックが稼働している。富士通と共同出資した運行管理サービス会社のトランストロン(林瑞泰社長、横浜市港北区)が持つ20万台分と自社のデータを一つの情報基盤に統合し、富士通のITを生かした新たな基盤を構築。スケールメリットを生かした新サービスを模索する。

 いすゞは新たな情報基盤構築に向け、これまでデータセンターで自社管理するオンプレミスから社外サーバーを活用したクラウド管理に移行する。運送事業者や荷主、倉庫事業者の基幹システムといすゞの新たな情報基盤を連携できるようにするとともに、現在開発を進める架装部分のコネクテッドサービスも活用してより高度なソリューションを創出する考え。

 日野は走行情報のみならず、生産や販売など各部門で持つビッグデータを統合し、社内外で展開する新サービスに利用しやすいよう情報の精査を進めている。同時に社外パートナーとのソリューション開発も進めており、同社のコネクテッドトラックでHacobu(ハコブ、佐々木太郎社長CEO、東京都港区)と連携した動態管理サービスの提供を開始。ダブル連結トラックによる幹線輸送の省人化・効率化に取り組む子会社のネクスト・ロジスティクス・ジャパン(NLJ、梅村幸生社長、東京都新宿区)ではパートナー企業が15社まで拡大し、コネクテッド機能を活用した混載輸送などの実用化を目指している。

 日野の小佐野豪績CDO(最高デジタル責任者)は「(物流の)サプライチェーン効率化に向けては、まだまだトラックデータが活用できるところは多い」と指摘する。トラックの積載効率は50%を切ると言われており、データ活用による積載効率の改善はドライバー不足の解決に加えて走行中の二酸化炭素(CO2)削減効果も期待できる。