足元の影響ではメーカーによって温度差が出ている(写真はスバルの群馬製作所)

 自動車メーカーが10日までに発表した2020年4~12月期決算から、半導体の供給不足による各社の影響度合いが見えてきた。ホンダや日産自動車、スバルは減産影響を織り込み、21年3月期通期の世界生産・販売台数見通しを引き下げた一方、トヨタ自動車やスズキ、三菱自動車などは足元の影響は限定的とみている。BCP(事業継続計画)対応として進めてきたサプライチェーンマネジメントの強化や生産機種の入れ替え、在庫品の有効活用などにより影響を最小化。今夏までには正常化するとの見方が強まっている。

 スマートフォンなど民生用の需要の高まりに、コロナ禍からの急激な自動車需要の回復による増産が重なり、半導体需給のひっ迫を引き起こした。自動車生産にも影響が広がり、ホンダは通期の四輪車の販売台数見通しを450万台と昨年11月の予想から10万台引き下げた。国内の軽自動車「Nシリーズ」や小型車「フィット」に加え、北米の「アコード」「シビック」といった主力車種の減産が響く。

 日産は、通期世界販売を前回見通しに比べ15万台減の401万5千台に下方修正。「半導体影響や新型コロナウイルスの感染再拡大のリスクを十分にみている」(内田誠社長兼最高経営責任者)として下振れ要因を反映させた。

 スバルは3月までに世界生産合計で4万8千台減産する。従来の生産計画に比べて国内で約3万6500台、海外で約1万1500台減らす。マツダは通期のグローバル販売予想は据え置いたが、2月に世界で約7千台の影響を前提に生産計画を見直す。

 今期業績への半導体不足の影響が軽微なメーカーもある。トヨタはサプライチェーンを可視化するシステム「レスキュー」による迅速な初動対応や仕入れ先との対話強化、適正な在庫保有などが奏功した。スズキは残業や休日出勤の見直しなどの対応を取り「大幅な台数減には至っていない」(長尾正彦取締役常務役員)とし、三菱自も今年度の影響は限定的としている。

 半導体はリードタイムの長さから増産対応に時間がかかるとされるが、収束時期については今夏前と見通す企業が多い。

 日産のアシュワニ・グプタ最高執行責任者は「世界中で5、6月までにはこの状況を解消できているだろう」と予想し、ホンダの倉石誠司副社長は「今年前半には影響は収まり、来期の事業影響は基本的にはない」と見て、生産機種の入れ替えや生産台数の調整などにより影響を最小化する方針だ。