写真はイメージ

 国土交通省は、自動車をはじめとする交通分野の中期的な政策指針となる「第2次交通政策基本計画」の概要案をまとめた。2023年に「空飛ぶクルマ」の実用化を目指すなど技術革新を推進する。25年度までに交通分野の行政手続きを原則オンライン化するなどデジタル化の加速にも力を入れる。概要案はこのほど開いた交通政策審議会の交通体系分科会計画部会に提示した。3月末をめどに開く次回の会合で、重要業績評価指標(KPI)など数値目標を含めた詳細を詰め、計画原案を取りまとめる見通し。国交省では必要な手続きを経て、今春の閣議決定を目指す考えだ。

 14年度にスタートした現行の第1次計画は20年度が最終年となっており、国交省ではかねてから次期計画の策定作業を進めてきた。現在検討を進めている第2次計画では進化の速度が速まっている自動運転などの新たな技術への対応を進める。同時に、少子高齢化や輸送の担い手不足などにより、事業環境が厳しくなっている地方の公共交通機関や物流事業者など慢性化している課題の解決にも継続して力を入れていく。こうした事業者に対し、「競争から協調への転換」につながる施策を導入していく方針で、地域住民の日常生活に必須な輸送サービスの維持につなげる。

 今後新たに取り組む政策では、地域公共交通において「サブスクリプション(定額利用)」に代表される多様なサービス提供を可能とするための制度づくりも盛り込まれる見通し。小型電動車など新たなモビリティの本格的な普及に向け、街づくりと一体になったシステムのあり方も検討していく。デジタル技術の活用で得られたデータも生かしつつ、交通ソフトインフラの海外展開も目指す。さらに、50年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロ化するという新たな政府目標の実現に向け、ウエートが重い運輸部門における抜本的な脱炭素化につながるような政策も加える。

 「安全運転サポート車(サポカー)」の性能向上や一層の普及など、安全や安心につながる交通環境も実現させる。さらに、交通分野にも大きな影響をもたらしている新型コロナウイルス感染症に対応し、今後予測される社会や人々の行動の変容などにも対応できる政策の方向性も取り入れていく。国交省では次期計画の確実な政策実行により、強靭かつ高度な「次世代型の交通システム」の転換につなげる狙いだ。