カーナビメーカー2社の2020年4~12月期決算は、コロナ禍の影響から大きく回復したものの、車載向け半導体不足による納入遅延の懸念や物流費の高騰から、2社ともに通期業績予想を据え置いた。今期決算では、JVCケンウッドが6四半期ぶりに増収増益に転じたほか、アルプスアルパインが全セグメントで黒字に転換した。一方で「半導体不足の影響が見通せない」など21年1~3月期以降の予想については慎重な姿勢を見せた。

 前期からの中国や欧米市場の回復に加え、今期で「国内向けも大きく改善した」(JVCケンウッドの宮本昌俊取締役専務執行役員最高財務責任者)。JVCケンウッドのオートモーティブ分野の売り上げは416億円(前年同期は367億円)、コア営業利益は29億円(前年同期は5億円)で、新車装着用、アフターマーケット向けともに10~12月期は大幅増益となった。新車装着向けは、国内新車販売台数の回復で好調だったほか、アフターマーケット向けは、国内でナビ、ドライブレコーダーの販売が堅調だった。

 アルプスアルパインは、7~9月期に1億円の営業損失を計上していた車載情報機器事業が営業利益13億円の黒字を確保するなど、全セグメントで黒字に転換した。車載情報機器事業は、欧米向けに出荷していた大型案件の販売が満期で終了したため、市況の回復水準ほどの回復には至らなかったものの、製品原価の改善により黒字に転じた。電子部品事業では、巣ごもり需要を機にスマートフォン向け製品が大きく増加した。今後の需要増加を見込んで、電子部品事業に「積極的に設備投資を行う」(アルプスアルパインの小林淳二執行役員)方針だ。

 両社ともにコスト削減なども含め、上半期以上の回復を達成したものの、通期業績予想を据え置いた。21年1~3月期以降、半導体不足による納入遅延などを懸念している。現段階でも「調達先からの納入時期がはっきりしない」(JVCケンウッド)などの問題が発生しており、「サプライチェーンへの影響を細かく調査中」(両社)としている。また、「物流費の高騰がすでに米国向けで発生している」(アルプスアルパイン)ほか、「船便のブッキングが取れない」(JVCケンウッド)状態で、他の輸送手段を検討するなど対応を進める方針だ。