EV向け電力メニューも増えている

 再生可能エネルギーを扱う電力会社が、電気自動車(EV)ユーザー向けの電力販売に注目している。2020年度第3次補正予算によって、家庭や事業所の電力契約を100%再エネ由来に切り替えれば、EVとプラグインハイブリッド車(PHV)の購入補助金が従来と比べて倍増するため、新電力事業者などが新たな需要の取り込みに動き出している。1月29日には環境省が上限額支給の対象となる電力メニューを初めて公表し、第1弾として17社37種類のプランが審査を通過した。EV販売時にセットで提案してもらおうと、一部の電力会社が新車ディーラーとの連携を模索し始めている。

 「EVを販売しやすくするサービスの一つとして活用してもらいたい」―。再エネの発電、小売りを手掛けるミツウロコグリーンエネルギー(二見敦社長、東京都中央区)の椋田真彦取締役は、新たな電力メニュー「EVグリーンプラン」の商品力に自信を見せる。自前の再エネ発電所を持つ同社が販路拡大策の一つとして着目したのが新車販売現場。年明け間もない1月8日には同プランの発売をいち早く発表し、補助金支給対象メニューと認定する環境省の審査も通過した。

 同社がEV用に用意したプランは、使用時間や量に関わらず一律の単価で料金を算出する仕組みにしたのが特徴だ。一般的な電力プランは、使用時間と量に応じて単価が段階的に変化するため、電力会社を切り替える前に行う料金シミュレーションが複雑になりがちだ。使用量と単価を掛けるだけで月の料金が算出できるようにすることで「新車販売の現場でも簡単にシミュレーションでき、EVと一緒に提案してもらえる商品設計にした」(椋田取締役)という。

 契約者には走行距離にして約300㌔㍍分(同社試算)の電力を毎月無料にするなど、分かりやすい特典も設けた。今後、新車ディーラーとの代理店契約獲得に向けた営業活動を本格化し、新規客の獲得につなげていく。

 環境省が補助金受給の対象として認めた電力メニューは、今後さらに拡大していく見通しだ。すでに大手電力会社や新電力だけでなく、石油元売り会社も100%再エネプランを用意し、対象メニューのリストに並んだ。従来からEVユーザー向けの電力メニューを日産系ディーラーを通じて販売する伊藤忠商事系のエネクスライフサービス(田中文弥社長、東京都千代田区)も「e―でんきfor日産関西再エネプラン」や「日産大阪e―でんき最エネプラン」などを設定。新たな補助金制度の立ち上げを契機に扱いディーラー数を増やしていきたい考えだ。