帝人は電気自動車(EV)事業に参入する。2日、低速EV用プラットフォームをオーストラリアのスタートアップ企業とともに開発したと発表した。2022年後半にも同プラットフォームを採用した車両を実用化し、売り出す。自動運転車への適用も視野に入れており、自動車業界が直面するCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)、MaaS(サービスとしてのモビリティ)への対応を強化する。

 低速EV用プラットフォーム「ブランク・ロボット」は、19年に共同開発契約を締結したApplied EV社(アプライドEV社、AEV社)と開発した。

 バッテリーやモーター、ソフトウエアなどはAEV社が開発。帝人はグループ会社で軽量複合材料製品を手掛ける米コンチネンタル・ストラクチュラル・プラスチックス(CSP社)のガラス繊維複合材料と成形技術を提供し、アルミ製に比べ約20%軽量なトップカバーが使われている。

 プラットフォームサイズは長さが3.2m、幅が1.2m、高さが50cm。低速EV用として、一般交通での用途や、運送や工業、医療など幅広い分野での利活用を見込む。22年後半には帝人独自の設計や仕様を持つ車両の実用化を目指すとともに、顧客の要望に応じた車両設計にも対応できるようにする方針だ。

 AEV社のセンシング、コネクテッド技術も搭載されており、自動運転車も見据えて共同開発を続けていく。