オンライン発表会の上野社長

 メルセデス・ベンツ日本(上野金太郎社長、東京都品川区)は28日、新型「Sクラス」をオンラインで発表した。世界初となる後席左右リアエアバッグを搭載するほか、AR(拡張現実)ナビゲーションをフロントウインドーに投影する新たなシステムをオプション設定するなど安全性を高めた。ディーゼルエンジン(DE)車と48ボルトマイルドハイブリッド車を設定する。

 オンライン発表会で上野社長は「随所に最新のテクノロジーを取り入れつつ、Sクラスの伝統的なクラシカルさと未来的なデザインが融合した1台」と述べ、昨年9月の世界初公開後には「予想をはるかに上回る問い合わせを頂いた」と新型車の仕上がりに自信を見せた。新型投入を記念した日本限定の特別仕様車も540台用意し、同日から受注を開始した。

 世界で初めて左右ともに搭載したリアエアバッグは、前席のシートバックの裏側に格納しており、事故を検知すると展開し、乗員の頭や首を支える事で衝突時の負荷を大幅に軽減する。また全モデルにオプションで設定したARナビゲーションは、進むべき方向をフロントウインドーに矢印で表示することで、前方から目線を逸らすことなく運転できようにした。

 対話型インフォテインメントシステム「MBUX」も性能を向上した。前後左右4席のどの席から発話されているのかを聞き分け、発話者のゾーンのみ温度設定を変更するなど、それぞれの席に紐づいた操作が可能になった。後席にも11.6インチディスプレーを装備し、目的地の設定などを行えるようにした。

 価格は、DE車が1293万~1678万円、マイルドハイブリッド車が1375万~2040万円(消費税込み)。