東京製綱のHP

 日本製鉄は、東京製綱に対する株式公開買い付け(TOB)を開始すると発表した。買付価格は1株あたり1500円。約24億円を投じて、所有割合を現在の9.9%から19.9%まで引き上げる。同社は東京製綱の業績不振や財務健全性の悪化、カバナンス体制の機能不全を問題点として挙げ、株式の追加取得で経営への関与を高め、経営再建の支援が必要と判断した。買付期間は22日~3月8日まで。

 東京製綱は、エレベーターやクレーンなどに使うワイヤーロープやスチールコードを手がける。日本製鉄は前身の富士製鐵時代の1970年に資本参加。その後、2001年に追加出資しており、現在は筆頭株主として9.9%を保有する。

 日本製鉄はTOBを開始する理由として、前期中期経営計画の大幅な未達や成長事業の利益回収の遅れ、取締役の在任期間の長期化、取締役会の独立性・多様性の欠如などを挙げている。