積載効率の向上はドライバー不足対策としても不可欠(写真はイメージ)

 商用車メーカーがデジタル技術を活用した積載効率の向上により、二酸化炭素(CO2)排出量を削減する取り組みを加速している。日野自動車が出資するネクスト・ロジスティクス・ジャパン(NLJ)では車両・貨物データの活用による荷室の見える化などでCO2を削減し、いすゞ自動車もコネクテッド技術を活用した積載効率の改善に取り組む。2050年のカーボンニュートラルを見据え、各社電動化は進めるが「商用車メーカーならではの課題もある」(いすゞ・片山正則社長)。50%以下の水準にとどまるトラックの積載効率を改善し、CO2の排出量削減を図る。

 国土交通省によると物流領域のCO2排出量は運輸部門の3分の1以上を占める。商用車メーカー各社は政府が目指すカーボンニュートラルに対応するため、三菱ふそうトラック・バスが39年までに日本で販売する全ての車両を走行時にCO2を排出しないゼロエミッション車に切り替える方針を示しているほか、日野やいすゞも電気自動車や燃料電池トラックを開発中だ。

 一方、走行時にCO2を排出しない車両もライフサイクルアセスメントでのCO2排出やコストといった課題は多い。商用車各社は電動化と両軸で積載効率の改善を急ぐ。

 NLJでは、フルトレーラーの活用などに加え、荷室の見える化や車両のデータ連携による運行状況の把握で積載効率の改善を実現した。運送業界の平均積載効率は約40%程度とされる中で同社は平均で56・9%、最大87・2%に積載効率を高めた。これらの取り組みにより、CO2排出量を32%低減。排出量ゼロを目標に幹線輸送の効率化を進める。

 いすゞもコネクテッド技術を活用した積載効率の改善を図る。19年から通信端末をRFIDなどで積み荷情報を取得し、輸送の効率を図る実証実験しているが、こうした取り組みの成果を反映し、新たなコネクテッドサービスを年内にも始める見通しだ。従来は整備の効率化に活用してきたコネクテッドの活用領域を広げる。

 積載率の向上によるCO2削減は共同混載など従来から進められてきた。搭載が進むコネクテッド機能もフル活用して、環境負荷低減を目指す。