小糸製作所は、ドライバーと車載カメラの視認性を高める次世代照明システム「デュアルビューマシンビジョン」を出展した。ランプにイメージセンサーと電子制御ユニットを一体化。従来のアダプティブ・ドライビング・ビーム(ADB)に比べて対向車の遮光エリアを最小限にするほか、標識などを検出してその範囲の光量を落として反射を低減する。遮光と減光を同時に制御し、ドライバーやカメラの夜間の最適な視界を確保できるようにする。

 一般的にADBは、車載カメラで前方の車両位置を検出する。ただ、カメラは分割数が多く、情報伝達の遅れが生じる。次世代システムは、イメージセンサーをランプに内蔵することで視差補正を排除し、情報伝達の高速化を可能にする。

 遮光範囲はADBが車両の両脇や上方向と広い一方で、デュアルビューマシンビジョンはフロントガラス部分のみ。凹凸の路面での車両の上下運動にも追従し、対向車に眩しさを与えることを防止する。

 部分減光では、ハイビームが交通標識や白線などに反射する時に配光を制御する。ハイビームの反射はドライバーの目に眩しく、カメラ映像が白とびで認識できない状況を生む。検出したエリアを減光することで、人の目でもカメラでも認識しやすい最適な配光を実現する。