中国汽車工業協会が発表した10月の新車販売台数は、前年同月比12.5%増の257万3000台だった。7カ月連続で前年同月実績を上回った。乗用車はSUVを中心に販売を伸ばし、同9.3%増となったほか、政府の公共投資の拡大により商用車は3割増と大幅に増えた。中国政府による景気刺激策の効果などにより、新型コロナウイルス影響からの回復が鮮明となっている。

 中国の新車市場は2月の前年同月比約8割減を底に、徐々に持ち直し、4月以降プラス成長が続く。10月新車販売の状況について同協会は、内需拡大戦略及び各消費促進政策が持続力を発揮したと分析している。

 乗用車の販売台数は211万台で、このうちSUVは同14.6%増の100万2000台と好調に推移した。商用車は同30.1%増の46万4000台で、政府のインフラ投資の拡大により大きく台数を伸ばしたとみられる。電気自動車(EV)などの新エネルギー車(NEV)は同4.5%増の16万台と4カ月連続で増加した。

 中国に進出する日系自動車メーカー6社の10月の新車販売台数は同17.9%増で、トヨタ自動車は3割増、ホンダは2割増となるなど、中国の新車需要を取り込んで成長した。

 1~10月累計の販売台数は前年同期比4.7%減の1969万9000台。