内海氏はミンダナオ島から船でマニラに戻る。フィリピンは7000以上の島々からなるだけに、船は重要な輸送手段だ。いつも桟橋付近は人と荷の往来で賑わっていた(PNLSC提供)

【あらすじ】意を決し、フィリピンの首府、マニラに向かう。そこは「東洋の真珠」とも呼ばれ、スペインとアメリカ文化が混在するエキゾチックで美しい交易都市であったが、そんな情緒に浸るゆとりなどはなかったろう。伝手はなく、知り合いもいない。片言の英語しか話せず、手に職があるわけでもないから、まともな仕事にありつけるはずもない。案の定、怪しげな仕事が舞い込…