豊田合成は、細胞を生体に近い構造で培養できる「ウレタン微細発泡膜」を開発したと発表した。自動車用ステアリングで蓄積したウレタン材料の技術を応用した。実用化に向けて実証を進める。

 開発した微細発泡膜は、膜の両面に2種類の細胞を培養できることが特徴。細胞が混じり合うことを防ぐとともに、膜に設けた孔の大きさを制御し、血管や腸といった生体組織に近い構造を再現できる。生体内での薬効を細胞の層ごとに確認できるため、動物実験の代わりに使える。開発期間の短縮や開発費の抑制などにも効果があるという。

 同社は、ゴム技術を応用した心臓手術用の訓練シミュレーターも開発済み。今後も自動車部品で培った技術を医療分野に応用する考えだ。