三菱自動車が4日に発表した2020年4~9月期の営業損失は826億2600万円の赤字だった。固定費の削減は想定以上に進んだとする一方、主力の東南アジア諸国連合(ASEAN)地域などで販売台数が落ち込んだ影響が大きく、上期として4年ぶりの赤字となった。ASEANでコロナ禍の影響が長引いているため、世界販売台数見通しは下方修正するものの、通期の業績予想は据え置いた。

 新型コロナウイルスの感染拡大による世界需要の減少で上期の小売り台数は約35万1000台と前年同期と比べて4割減少。結果的に台数減少や車種構成の変化が937億円の減益要因となった。一方、7月に発表した構造改革は「当初よりも前倒しで進捗した」(加藤隆雄代表執行役CEO)とし、固定費は上期ベースで前年同期比20%削減した。

 通期の世界販売台数は前回予想比で約2.5%減の82万4000台に修正した。ASEANが想定よりも落ち込む見通しだが、ディーラー網やデジタルマーケティングの強化でシェアの底上げを図る。