四輪事業本部流通営業部岩浅雅彦GM
プライシング依頼の流れ

 今やディーラーの経営にとって欠かせない収益源となった中古車ビジネス。新車、中古車販売時の下取りから換金に至る各過程において適正な判断が求められるだけに、専門人材の育成が不可欠な領域と言われてきた。こうした中、オークネットはこれまで〝経験〟や〝勘〟が重要視されてきた中古車流通に対して、「当社が長年蓄積した流通データやAIS検査データから収集したビッグデータと、AIを活用したビジネス支援プログラムによりディーラーの中古車ビジネスをバックアップする」と話すのは、オークネットでディーラー向け支援を担当する岩浅雅彦GMだ。同社では中古車のテレビオークションを中心に下取りから換金までをトータルでサポートするディーラーに特化したサービスがあるのも大きな特徴となっている。

 とくに中古車ビジネスにとって最も重要な業務の一つが下取り車のプライシング。一般的には現場の営業スタッフが行った査定結果をもとに専門部署が最終的な下取り価格を算出する、この値付けが中古車ビジネス全体の収益を左右するといっても過言ではない。ただ、ディーラーによっては最適な人材の確保が難しいケースがあるのも実情だ。

 こうした課題を解決するためにオークネットでは中古車プライシングサービス「ディーラー・プライシング・サポート(DPS)」を展開している。現場で査定した情報をオークネットのプライシングセンターに送信すると、経験豊富な専門スタッフが全国の中古車オークション(AA)流通データなどをもとに適正な下取り価格を返信。またオークションでの成約価格がDPSで提示した価格を下回った場合に差損を保証する「買取保証価格」も併せて提示するなど、確実に収益化できるサービスを提供している。さらに4月にはDPSの査定システムに人工知能(AI)を導入し、適正価格算出の強化とプライシング返信時間の短縮に成功した。

 ディーラーがDPSを最も効果的に活用するには査定アプリ「サテロク」が不可欠だ。第三者機関AISのデータをもとに要注意箇所などをわかりやすく図示するAIアシスタントが搭載された「サテロク」を活用することで「スタッフの知識やスキルによってバラつきが出る査定結果も標準化でき、正確な価格算出に繋がる」(岩浅GM)という。

 入庫した下取り車両のうち、業販対象車両は全国7カ所にある車両保管ヤード「バリューアップセンター(VUC)」を活用し、手間なくオークネットが運営するテレビオークションへ出品することができる。また、軽補修も対応でき車両価値を高めての出品も可能だという。査定から換金まで、中古車の換金業務を効率化できるサービスをワンストップで提供することで、「ディーラー担当者の負担を大幅に減らし、収益の最大化に貢献したい」と岩浅GMは力を込める。

 ※次回は11月10日5面の掲載予定です。

【営業企画】