会員数6万5千を誇るインターネットの中古車流通サービス「ASNET」を運営するオートサーバー(髙田典明社長、東京都中央区)は、会員に向け自動車販売支援ツール「みるクル」の活用を推進している。

 みるクルとは、エンドユーザー向けのスマートフォン用専用アプリ。店頭で顧客と共に車両の検索、見積もりを出すことができる小売支援ツール「店頭商談ネット」をベースに、店舗外でも利用できるよう機能を拡張した。メイン画面に車両検索・査定相談・店舗からのお知らせ・お問い合わせの4つの機能をおき、簡易な操作性と即応性が特徴。さらに新型コロナの感染拡大以降は、商談成立までの来店回数を最小化するリモート商談サポートツールとしても訴求、登録を広げている。

 顧客は、アプリを用いればいつでも同社共有在庫の車両情報を検索・閲覧することができる。気になる車両をお気に入りに登録して保存でき、車両ページから見積依頼や電話での問い合わせもワンタッチで操作可能。車両価格は非公開だが、価格帯での検索機能をつけることで利便性を確保した。

 会員店舗の利点も大きい。店舗に紐づいたアプリを顧客に使ってもらうことで、見積依頼や問い合わせからの集客を見込める。豊富な在庫を顧客にアピールできるため、経営資源の限られた小規模店舗でも車販を強化できると好評だ。また、アプリ機能を有効活用することで、店舗の基盤強化に役立てることもできる。

 例えば、閲覧履歴の確認機能で登録ユーザーの傾向を把握し、車検案内などのテンプレートが豊富に揃ったお知らせ配信機能を使うことで、顧客ニーズに合った情報をタイムリーに提供することができる。開封確認も取れるため、顧客のアプリ登録比率を上げるほど、販促展開の効率化が図られ、DMコスト削減にもつながる。特に、ガソリンスタンドなど車販以外に事業を持つ兼業事業者において、クルマ購入者へのアフターサービスの提案と収益向上につながると高評価で、販促展開の軸として積極的に活用する動きもあるという。

 アプリは、初期費用3千円(消費税別)で利用を開始でき、月額利用料などはかからない。会員店舗の収益向上につながるサポートツールとして位置づけ、会員に積極活用を呼びかけていく。