日産自動車は28日、横浜市西区のグローバル本社ギャラリー内に高級ブランド「インフィニティ」の情報発信スペース「インフィニティラウンジ」を開設した。モーターショーのブースで展開したデザイン意匠を採り入れ、同ブランドの世界観を演出する。オープン時には「QX60モノグラフ」などのコンセプトカー2台を展示し、車両は順次入れ替えていく。インフィニティは国内未導入だが、日産のブランド展開の広がりについて国内でも認知度を高める狙いがある。

 同ブランドは4月、香港にあった本社オフィスを日本のグローバル本社に移転。これに伴い、香港にあったショールームを国内に移転した格好だ。インフィニティのブランド発信拠点はグローバルで横浜のみとなる。

 ショールームのデザインは、「ジャパニーズDNAを原点とした」(グローバルデザイン本部の安原大介課長代理)。白を基調とした空間には、建築家の隈研吾氏がデザインを手がけ2019年4月の上海モーターショーのブースで採用した「クラウド」を天井から吊り下げ、日本的な「間」を表現したという。

 開設時の展示車は、9月25日に発表したインフィニティブランドの次期型ミドルサイズSUVのQX60のデザインスタディモデルと、中型セダンのコンセプトカー「Qインスピレーション」の2台。今後展示していく車両はコンセプトカーに限らないという。

 販売をしていない国内にインフィニティのショールームを開設する狙いとして、ブランド認知を広げることに加えて、「インフィニティを感じる空間があれば、国内で働く日産社員の誇りやモチベーションアップにもつながる」(同)との考えもあるという。同ラウンジが開設したことで、本社ギャラリーはより多角的にブランドを発信する拠点としての位置づけが強まることになる。