新型コロナウイルスの影響で低迷した世界の主要市場の新車販売が、前年実績を上回る水準まで回復している。いち早く市場が持ち直した中国に続き、米国と欧州が9月の販売実績でプラスに転じた。一方、日本では2桁減が続いているが前年が消費税増税前の駆け込み需要によって実績が高かったためで、10月以降はプラスに転じる公算が大きい。インドも9月販売で2カ月連続増となり、ブラジルも回復基調を示すなど新興国の大市場でも新車需要の回復が鮮明となっている。

 中国汽車工業協会の発表によると、中国の新車市場は2月に8割近いマイナスとなったが、4月にはプラスに転じ、5月以降は2桁増が続いている。政府や自治体の消費促進政策による販売増に加え、新型コロナを機に導入したオンライン販売の定着や各地域で開催している地方モーターショーも需要を後押しした。9月の実績ではトヨタ自動車とホンダが単月過去最高を更新するなど、回復のピッチは他地域を圧倒する勢いを見せる。

 米国は9月にコロナ禍後に初めてプラスに転じた。市場調査会社のマークラインズによると、9月の米国新車販売台数は前年同月比6・2%増となり7カ月ぶりに前年実績を上回った。欧州自動車工業会(ACEA)の発表によると、欧州主要18カ国の乗用車新車販売台数は9カ月ぶりのプラスとなった。ただ、欧米に関しては新型コロナ感染の再拡大が懸念される中で、需要回復が今後も維持されるかは不透明だ。

 国内の9月新車販売は同14・3%減となり、昨年10月の消費税増税以降12カ月連続でマイナスとなった。9月の実績は前年の水準が高く、一昨年の同月実績と比較すると3・2%減となり、トヨタやスズキ、ダイハツ工業は一昨年実績を上回る水準まで回復している。昨年10月は増税の反動減に加えて台風などの自然災害によって同24・9%減まで落ち込んだため、今年の10月実績はプラスに転じる可能性が高い。

 トヨタはコロナ禍による販売影響について7~9月で前年同期比15%減、10~12月で同5%減、年明け以降に前年超えとなる見通しを示すが、中国をはじめ欧米市場はこれを上回るピッチで回復傾向を示している。足元では欧米での感染再拡大のリスクをはらむが、年末にかけてどこまで市場が持ち直すか注目される。