新たに開発した低粘度グリースを採用した電動車向けハブユニット軸受

 日本精工は、電動車向けハブユニット軸受のフリクション低減を推進する。内部フリクションを低減する新たなグリースを用いた「電動車向け低フリクションハブユニット軸受」を開発。2021年から一部の自動車メーカーへの出荷を始める。シールフリクションの低減につながる技術開発も進めており、電動車の航続距離延長に寄与する低フリクションハブユニットの提案強化に結び付ける。

 来年から出荷を開始する電動車向け低フリクションハブユニット軸受では、ユニット内部を潤滑するグリースを新たに開発した。潤滑の役割を担う基油を低粘度化して薄い油膜を実現することで転がり抵抗を低減。基油を保持する増ちょう剤の種類と量を最適化し、かくはん抵抗も低減することで、従来品と比べ30%の内部フリクションの低減に成功した。

 新グリースを採用したハブユニット軸受を電気自動車に搭載した場合、航続距離を約0・6%(バッテリー重量で約1・4㌔㌘の削減に相当)伸ばすことができるとする。26年に300億円の売り上げを目指しており、34・5万㌧の二酸化炭素(CO2)削減に寄与する計画だ。今後はハブユニット軸受のもう1つの抵抗要素であるシールフリクションのさらなる低減を目指す。

 同社は、1990年代からハブ部品のユニット化を拡大。ユニット内部の設計、シール、グリースを最適化することでフリクションの低減を進めてきた。最新技術である新グリースを採用したハブユニット軸受は、90年代の製品と比べると約45%のフリクション低減化を実現している。まずは来年から一部の自動車メーカーでの採用が決まっており、新グリースについては順次、既存製品にも展開していく方針だ。