ヤマハ発動機は8日、イタリアで二輪車用エンジンの製造を手がけるグループ会社の全株式を二輪車メーカーの伊ファンティックモーター社に譲渡すると発表した。株式譲渡契約などの手続きは、欧州労使協議会(EWC)と協議した上で年内に完了する予定。世界で進める構造改革の一環で、20億円分のコスト改善効果を見込む。

 株式を売却するのは欧州子会社のヤマハモーターヨーロッパの完全子会社であるモトーリ・ミナレリ。50~400ccの二輪車用エンジンを年間8万基生産しており、完成車を生産するヤマハ発のフランス工場や譲渡先のファンティックを含む欧州域内の二輪車メーカーに出荷している。フランスの完成車工場で使用するエンジンは、段階的にインドネシアからの調達に切り替える。

 ヤマハ発は2018年に発表した中期経営計画で先進国における二輪車事業で構造改革を実施すると発表。国内工場を含めて生産の効率化に向けた体制の見直しを検討している。