日野自動車は6日、米国でのゼロエミッション車(ZEV)の開発ロードマップ「プロジェクトZ」を発表した。トヨタ自動車と燃料電池(FC)トラックの共同開発に着手するほか、電動パワートレインを手がけるサプライヤーとも試作車両を製作し、ZEVの開発を加速する。パワートレインや車両サイズは明らかにしていないものの、2024年にいずれかのZEVを米国に投入する考えだ。
日野は、米国で同日実施したオンラインイベントで、電動パワートレインを手がけるサプライヤーと共同で製作したZEVのコンセプトモデルを披露した。コンセプトモデルは、車両総重量1万4千~1万6千㍀の「クラス4」から同3万3千㍀超の「クラス8」までのZEVトラック。トヨタのFCシステムを搭載したクラス8のFCトラクラターのほか、クラス7のEVトラクターや日野が米国で展開する「Mシリーズ」をEV化したクラス5のトラックなどを出展した。
コンセプトモデルをもとに21年前半にZEVの試作車両を製作し、22年に一部顧客と実証した上で、24年までに量産する。米国日野販売のシニア・バイス・プレジデント、グレン・エリス氏はトヨタなどのパートナーと協業することにより「サスティナブルかつコストを抑えた商品ラインアップを実現する」と述べた。
日野は50年に新車走行時の二酸化炭素(CO2)排出量を13年度比で90%削減する考え。米国でも電動化を加速し、目標の達成につなげる。