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一目でわかるキャロッセ使用のJB64

 国内屈指のチューニングパーツメーカーであるキャロッセ(長瀬努社長、群馬県高崎市)は、「クスコ」ブランドでモータースポーツに部品を供給しており、業界では抜群の知名度を誇る。

国内外問わず人気のサスペンションキット

クスコらしい用品提案

 そのキャロッセが、初めて手掛けたジムニーのパーツがJB64/74用の「ローダウン&リフトアップサスペンションキット」だ。もともと社員がプライベートで乗っており、チューニングしていたことから、商品開発に取り掛かった。「足回りは得意とするところ」と長瀬社長が語る通り、街乗りの快適さを最優先に開発されており、ユーザーの好みに合わせ、1インチダウン、1インチと2インチアップのサスペンションキットを展開し、JB23用も開発した。幅広い層から好評を得ており、現在では、中東や台湾、アジア圏など海外からの引き合いも多いという。

ボディ剛性を向上させるパーツ類も人気だ
ペダル側下部を広げ、踏みやすく改良したスポーツアクセルペダル

 ボディ補強のパーツ類も発売しており、コロナ禍を機に販売が増えている。「ストラットバー」や「パワーブレースリヤピラー」などボディ剛性を向上させる部品などは、価格も手ごろなことから、カーショップなどの量販店のみならず、インターネット経由での購買も増加しており、ユーザー層も拡大している。さらに、モータースポーツを軸とする同社らしい「スポーツアクセルペダル」も人気の商品となっている。より踏みやすく、そしてブレーキペダル側下部を広げた形状に改良されており、スポーツドライビング用品を得意とする同社のこだわりが詰まっている。

今後発売するECUサンプル

今後もアイテムを追加予定

 また、エンジンコンピュータなどパワーを上げるパーツの開発を進めており、11月頃の発売に向けてデータを解析している。長瀬社長は「ジムニーは車体が軽い。少しパワーを上げるだけで、力強さが変わる。是非とも体感してほしい」と、同社の得意とする技術が詰め込まれた製品のリリースに期待を寄せる。モータースポーツから得たデータを基に、製品へフィードバックされた同社のパーツ類は、厳しい基準をクリアしたASEA基準認定アイテムであり、耐久性や安全性が担保されている。

悪路などでも性能を発揮するよう改良したLSD

 そのほかにも、同社らしいカスタマイズ製品として、スポーツ走行では定番のLSD(リミテッド・スリップ・デフ)が発売されている。LSDの特徴として、クルマのパワーをしっかりと路面に伝えることで、トラクション性能が上がり駆動ロスが減る。高い走破性をもつジムニー向けに、悪路などでも性能を発揮できるよう改良された。乗りやすさと効きのバランスを考えてセッティングされており、「走行時の安心感が向上する」などユーザーから高い評価を得ている。

長瀬努社長

 今後も走行の楽しさを追求する商品開発を続けていくほか、自身もジムニーで行動することが多い長瀬社長は、「ユーザーだからこそ欲しいと思える商品も開発していきたい」と、共住性を向上させる商品の開発も進めていく予定だ。