車の施錠・開錠やエンジン始動でスマホを使うケースが広がっている

 車の施錠や始動装置としてスマートフォン(スマホ)を活用する動きが広がりつつある。ホンダは新型の電気自動車(EV)「ホンダe」に、スマホでロック解除とエンジン始動を行える機能を採用し、対応車種の拡大も視野に入れる。トヨタ自動車は、スマホアプリの操作によりドアの開閉などができる「SKB」(スマートキーボックス)を日米のカーシェアやレンタカー事業で活用している。今後デジタルキーをシェアする技術開発がさらに進めば、新サービスや価値の創出につながりそうだ。

 スマホやコネクテッド技術の普及に伴い、スマホ側からの指示で自動駐車をしたり、エアコンの遠隔操作が可能になるなど、スマホと車の親和性が高まっている。自動車の鍵について昨秋、国土交通省が規制緩和に踏み切ったことで、スマホを使った車の施錠・開錠やエンジン始動が認められた。

 制度改正やスマホの普及状況などを踏まえ、自動車メーカーも同技術の採用に動き出す。ホンダは10月30日に発売するホンダeで、欧州企業と協力し、スマホを車の鍵代わりとして使う技術を確立した。NFC(近距離無線通信規格)により鍵を開閉することやパワーオンが可能になる。他の車種への適用についても「技術的にでき上がったので考えられる」(ホンダe開発責任者・一瀬智史氏)とみる。

 現時点で、ホンダeに採用したデジタルキーは、オーナーがドアロックの解除とパワーオンができる。カーシェアなどを想定した第三者間のキーの受け渡しについても「鍵の貸し借りなどの管理ができればシェアリングもできる」(同)と、新たなサービスへの応用の可能性を見込む。

 トヨタは、日米でSKBを活用したモビリティサービスを展開している。東海理化と共同開発したSKBは通信装置を内蔵し、専用アプリを組み込んだスマホとの間で暗号キーをやり取りし、ドアの開閉やエンジン始動ができる。

 2019年10月から全国展開を始めたカーシェアリングサービス「トヨタシェア」と無人貸渡しレンタカーサービス「チョクノリ!」では、SKBによりスマホアプリ操作による車両の解錠を可能にした。米国ハワイ州などでは、ドアロック開閉やエンジン始動をスマホで行えるカーシェアサービスを進めている。

 独BMWは、米アップルが6月に発表した同社のスマホを車の鍵代わりに使える新機能「CarKey」を採用すると表明した。7月以降に生産される「3シリーズ」「5シリーズ」など幅広いモデルに順次対応するという。