CASE(コネクテッド・自動運転・シェアリング・電動化)により、自動車の設計・開発が複雑化するだけでなく、コロナ禍により実機や実走での検証が難しくなる中、シミュレーションツールの活用は自動車開発の現場でますます重要となる。IPG Automotiveは、ソフトウエアとハードウエアの供給を通じて車両開発の効率的な解決手法を提案。開発現場に精通したエンジニアによるコンサルティングビジネスも開始し、開発ツールメーカーの枠を超えたサービスを提供する。

 設計・開発の時間短縮やコストの抑制が課題とされる自動運転(AD)の開発において、シミュレーション技術は開発競争のカギを握るといえる。IPG Automotiveは、車両開発のプロセス改善などを通じ、ADをはじめとする車両開発の効率化を支援する。その柱となるのはシミュレーション・ソフトウエア「CarMaker製品ファミリ」だ。AD、先進運転支援システム(ADAS)、パワートレイン、ビークル・ダイナミクスの各領域のシミュレーションがより効果的に行える。

 実車での検証が難しい自律運転機能の開発シミュレーションの一例を紹介すると、ADに搭載されるLiDAR(ライダー)を実車での検証前に、バーチャル環境で性能確認が行える。走行環境のデータを簡単に作れ、かつ、短時間でのシミュレーションが可能となり、AD開発の網羅性が向上する。IPG Automotiveの中核となる強みである高精度の車両モデルはADの開発において重要であり、ADの車両ダイナミクスの確かな検証が行えるのも大きな特長だ。

 このほか、性能を維持しながらコスト低減も要求されるADの開発に寄与するほか、ADのシミュレーションに欠かせない交通流の再現など、様々なロケーションやシチュエーションを想定した検証などが行える。さらに「Scalability HPC&Cloud」を使うことで、より高速に並列連座のシミュレーションが可能となる。今後もCarMaker製品を中心に開発プロセスの改善を提案し、製品開発の効率化などにつながる付加価値の高いソリューションを提供していく。