ヤマハ発動機は24日、独自のフロント二輪機構「LMW(リーニング・マルチ・ホイール)を採用した新型バイク「トリシティ300」を発表した。車両の自立をアシストする「スタンディングアシスト」を初採用した。新型コロナウイルスの感染防止の観点からパーソナルな移動手段としてバイクの価値が見直される中、通常の二輪車よりも安定感があるLMWの新モデル投入で幅広いユーザー層の取り込みを狙う。

 トリシティ300は、「同125」(2014年)、「同155」(17年)、「ナイケン」(18年)に続くLMW第4弾となる。ナイケンに投入した技術を熟成して採用し、自然なハンドリングや接地感を実現。新機能のスタンディングアシストは、スイッチ操作によってLMW機構上部のディスクをロックし、自立をアシストする。排気量300cc水冷単気筒エンジンを搭載し、トリシティ155の上位モデルとして位置付ける。

 木下拓也執行役員は新型車について「(新型コロナで)移動手段としてパーソナルモビリティの価値が上がってきている。今まで二輪を乗ってなかった、もしくは技量に不安のある方に対してもLMWの安心感が大きくアピールできる」と自信を示した。価格(消費税込み)は95万7千円。発売は9月30日。