実証サイトの一例

 三菱自動車は、東京電力ホールディングスなど6社共同で電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)を活用したV2G(ビークル・ツー・グリッド)ビジネス実証事業の試験運転を開始すると発表した。複数の拠点に配置するEV・PHVの充放電を一括制御してサイト間で電力を融通し合う仕組みを開発・検証する。電力需給の調整役として電動車を活用し、再生可能エネルギーの導入と電力系統安定化の両立を狙う。

 東京電力ホールディングスを含む30社は、経済産業省のバーチャルパワープラント(VPP)構築に関する補助金を活用して実証事業に取り組んでいる。三菱自などの実証事業は電動車や蓄電池など社会に散らばるエネルギーリソースを統合制御し、発電所のように機能させる構想。21年度以降V2G事業のビジネスモデルを構築し、事業化を視野に入れる。

 今回で3年目となる20年度の実証では、三菱自動車の岡崎製作所にあるPHV50台など、6つの実証サイトにある63台の電動車(EV10台、PHV53台)を使う。複数サイトの電動車をIoT(モノのインターネット)技術などで一括制御できる仕組みをつくり、複数サイト間の電力融通の実現を目指す。

 実証を通じてV2Gのビジネスモデルの検討を進め制御の高度化も狙う。