「コネクテッドフューチャー」は環境意識の高まりや理想の未来像を表現した
「ア・カップ・オブ・ティー」は一人の時間を楽しむトレンドを落とし込んだ
オーシャンブルーネクストは従来のブルーよりも立体感があり鮮やかな発色を目指した
ブラックの基準を定義してさまざまな角度や条件下でも安定した発色を追求した
7カ国から担当者が集まりカラーコンセプトを作成した(写真は19年10月のミーティング風景)

 関西ペイントは、流行色の提案に向けて「グローバルアドバンスカラー2020-21」を発表した。流行色には「アローン・バット・ノット・ロンリー」というコンセプトを設定。「誰かや社会とつながっていたいけど、一人を好む」というユーザーの最新ニーズをイメージするとともに、それを2つのテーマに落とし込み、新たに開発した塗色で表現した。(梅崎 信孝)

 1つめのテーマ「コネクテッドフューチャー」では今後の社会を見据え、近未来に必要な技術や思想を盛り込んだ8色をラインアップした。

 このうち近年、自動車市場において人気を集めるブルー系の新色「オーシャンブルーネクスト」は、従来のブルーと比較して、ハイライト(光が当たる部分)とシェード(光が当たらない部分)の鮮やかさをそれぞれ引き上げた。こうして、ボディーの立体感と鮮やかさの理想的なバランスづくりに取り組んだ。

 このところレッドやブルーなどの有彩色を選択するユーザーが増えてきた。こうしたニーズに一層応えていくため、素材や顔料を見直して品質を高めたという。

 さらに新技術への対応を考慮したカラーとしてブラック系の「ブラックパンサー」を用意。自動運転車に搭載される距離測定デバイス「LiDAR(ライダー)」で検知しやすい特性と、存在感のある発色の両立を目指した。

 ライダーは赤外線を対象物に当てて、戻ってきた光を検出することで距離を測定する。このため、光を吸収するブラック系では検出感度が低下しがちだった。

 ブラックパンサーでは、赤外線の反射率を高める技術を使用し、自動運転車の普及が見込まれる〝未来〟でのニーズに対応できるようにした。また同社は、ブラックにアルミフレークやパール顔料を配合した場合、見る角度によってグレーに見えるケースを防ぐ塗色技術の研究を行っており、これをブラックパンサーの開発にも活用した。

 2つめのテーマ「ア・カップ・オブ・ティー」では、ユーザーが一人でさまざまなことを楽しむトレンドに注目し、6色を開発した。

 その中の「リネン・ベルベット」は、欧州でセダンなどへの採用が増えているベージュ系をベースにしたカラーだ。色合いは、内装に使用されることの多いベージュカラーの素材との組み合わせに配慮して作り込んだ。

 加えて担当者は「一般的にベージュ系のカラーはシェード部の発色が悪くなるため、その解消に取り組んだ」という。塗料に配合する素材を工夫してパール顔料の優しい発色を生かしつつ、柔らかで上品なイメージを追求。ボディーの大きなモデルでも、綺麗な発色を実現できるようにした。

 そのほか、シェードランプから漏れる光をイメージしたブラウンや、赤ワインを使用したカクテルから着想を得たレッドなどのバリエーションを設定した。

 「アドバンスカラー」は、アジアを中心とした7カ国の色彩開発担当者が各国のトレンドを持ち寄り選んだ。近年は、個人のライフスタイルに焦点を当てたコンセプトが多くなっていると言い、「現代は、一人で過ごしていても環境対応や社会貢献などを通じてつながりを持てる社会になった。その点へ寄り添うカラートレンドとなった」(担当者)と説明した。