スポーツシートのトップブランドとして高い認知度を誇るブリッド(高瀬嶺生社長、愛知県東海市)。モータースポーツに欠かせないシートを、長年にわたり提供し続けており、さまざまなレースで培ったノウハウを活用して、「より快適で、より楽しく、より安全にドライビングする」製品を多く展開している。現在ではシートを室内でも利用できるよう、「マルチキャスターPRO」や、シート製造の際に出る端材を使用したマスクを販売するなど、トータルライフスタイルを提案している。高瀬社長にメイド・イン・ジャパンのこだわりや今後の事業展開を聞いた。
-マルチキャスターPROが、用品大賞アイデア賞を受賞した
「当社の発売しているスポーツシートを車内のみならず幅広く使ってもらうために開発した。また、取り外した純正シートを使用できるようにした製品も開発しており、対応車種を順次増やしていく予定だ。このような、再利用できる製品が評価を受け、大変うれしく思っている」
-製品の需要は
「当初は若い世代に人気のあるe‐Sportsでの使用を考え、東京オートサロンで発表したが、コロナ禍でのテレワーク需要などインドア全般で幅広く使用してもらっている」
「今後は長時間使用する、『ワーカーシート』として、腰痛に悩む人などに向けて展開することで、新たな販路を開拓したいと考えている」
-こだわりのポイントは
「キャスターだけで5社の部品を採用しており、それぞれの特徴を併せた専用設計としている。シートに座った快適性はもちろん、座角や高さの調節のほか、上下・前後に加え左右の調節も可能にしたアームレストなど、利用者が自分好みの設定ができる。また、売りっぱなしにせず、長年にわたって使用いただけるよう、補修パーツも準備している」
-今後の商品展開は
「事業の柱として室内事業を立ち上げ、座ることを追求したいと考えている。第二弾として『座椅子』の展開を始める。室内使用ではユーザーの使用用途もさまざまで、高さのニーズもある。プラスワンの製品を今後も展開していきたい」
「当社の発売しているシートなどの製品は、『メイド・イン・ジャパン』だ。高品質の製品はそれなりのコストがかかる。しかし、長年培ってきたブランドイメージにファンがついてきてくれていることがとても誇らしい。今後も本筋のレーシングシートを中心に、そこで得たデータや経験を製品に生かしていく」
-コロナ禍での販売状況や宣伝の方法は
「外出自粛の影響も覚悟したが、直販サイトを中心に売り上げがあり、大きな落ち込みはない。海外需要も、米国や中国、アジア圏などからの引き合いが多い。全体で7割近くがインターネットを介した売り上げとなっている」
「インターネットメディアを活用して、製品紹介を始めたところ、とてもいい反応が出ている。ソーシャルネットワークサービス(SNS)なども含め、ユーザーと距離が近いので、動画などを活用して多くの商品を紹介していきたいと考えている」
-マスクを発売して大人気となっている
「ここまで大きな反響があるとは思ってなかった。マスクは、シート製造の際に出る端材を活用し、廃材を減らすエコ活動の一環になっている。また、裏地は接触冷感・紫外線カット素材を使用するなどこだわっている。生産数に限りがあるが、できるだけ早くお届けできるよう動いている」