東レは29日、製品の品質検査情報をサプライチェーン全体で共有するデータ基盤を日本電気(NEC)と構築したと発表した。東レが検査機器から抽出した品質検査情報をデジタルデータとして収集・保存し、NECとともに開発したデータ基盤を通じて共有する仕組みを整えた。収集したデータはグループ外の企業を含めた取引先でも活用できるため、サプライチェーン全体の品質向上に寄与していく。

 新たに構築した品質データ基盤では、製造現場の従業員や設備に係る情報のみならず、原料や委託品の検査情報をデジタル化して管理することができる。過去の情報も集約することで品質の傾向を見える化したり、グラフ形式で確認できるのが特徴だ。

 品質データは顧客と共有することができる。このため顧客は自社製品の品質調査においてデータを活用できることから、例えばJIS規格の異常判定ルールに則った異常検知を行うことができるという。

 東レグループでは、すでに生産工場の一部で品質データ基盤を導入し、品質検査情報の信頼性向上と品質保証業務の効率化に取り組んでいる。