ビー・エム・ダブリュー(BMWジャパン、クリスチャン・ヴィードマン社長、東京都千代田区)は30日、日本で販売する全主要モデルをインターネットで購入できる「BMWオンライン・ストア」をオープンしたと発表した。商談から契約までのすべてをオンラインで完結するもので、購入希望者への対応、販売は最寄りのディーラーが担当する。コロナ禍の収束が見通せない中、非接触型の販売環境を整えることで、新車販売の安定化につなげる。

 同社が主要全モデルを対象とした新車のオンラインストアを開設するのは初めて。海外の主要国では、2015年にイギリスでスタートしたのを皮切りに中国、ドイツ、アメリカでインターネットによる販売をスタート。日本は5カ国目となる。

 購入希望者は、専用サイトで示された最寄りのディーラーリストから店舗を選択でき、選ばれた店舗の営業スタッフがチャットなどを活用して商談を進める。契約に必要な署名などは郵送によって書類を送付する方法のほか、メールによるデジタル署名にも対応する。5月には一部の限定車、販売店を対象に試験的な運用を行っており、すでに契約も獲得しているという。

 国内の新車市場は、コロナ禍によって通常の営業活動が行えず、大幅な落ち込みに見舞われている。一方、BMWの公式サイトの閲覧者数は、20年上期(1~6月)に前年同期と比べて2割増となるなど、外出自粛によってインターネットを通じた顧客との接点が増えている。

 こうした中、同社では5月からビデオ通話を活用した新たな販売コンセプト「BMW@HOME」を打ち出すなどし、系列ディーラーでのデジタル対応を加速。オンラインストアの運営では、こうした販売現場で蓄積したノウハウも活用し、コロナ禍に対応した営業を目指す。