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正弦波インバーター

 国内一貫生産、3年保証のドライブレコーダーを販売するセルスター工業が、正弦波インバーター「SI-1500/12V、SI-1500/24V」で、日刊自動車新聞用品大賞2020のアウトドア用品部門賞を受賞した。キャンプやアウトドア、車中泊、災害などで自宅使用時と同様に電化製品を使用することができる。〝セルスター基準による品質〟にこだわり、顧客視点での製品開発を重視している。

アウトドアや災害時に効果を発揮する正弦波インバーター

勝永直隆社長

 ―正弦波インバーターを市場投入した
 「当社にとっては念願の正弦波インバーターの発売だ。当社は今年43期目を迎えるが、もともとはバッテリー充電器を得意としていた。並行して矩形波のインバーターも手がけていた。矩形波のインバーターは災害時の備えとして準備されるケースが多かったが、正弦波であれば電子レンジ、IH炊飯器、電気ポット、電気毛布、扇風機なども使用することができる。今までよりも、さらに多くの方々のお役に立てるのではないかと期待している」

 ―品質にこだわりを持つ
 「現在の主力製品となっているドライブレコーダーは、国内一貫生産、3年保証などが評価をいただいている。ただ、この品質へのこだわりはドライブレコーダーを手がける前からの話。インバーターは現在、協力工場で生産している。工場との付き合いは15年以上になるが、当社で企画・開発・設計したものに基づき、当社がどれだけ品質にこだわりを持っているかを理解した上で生産してくれている。国内でも海外でも、技術と検査、品質管理体制の充実により、高品質を確保していく」

 ー苦労した点は
 「セルスターのブランドで販売する以上、品質にはこだわりを持たなければならないため、あらゆる面で苦労した。マイコン機能が付いている電化製品を1500ワットの中でどれだけ使用できるのかを調整することが難しかった。正弦波である以上、どんなものでも使えなければならない。そこを解決するために技術のスタッフを中心にあらゆる知識を詰め込んだ。中でも出力電力が適正に、ひずみがなくきれいに流れるように設計すること。これが難しかった。製品へのこだわりを追求しながら、価格も満足いただけるものにすることも苦労した点の一つになる」

―アウトドアブームでの利用シーンも想定できそうだ
 「今年1月の東京オートサロンでは、アウトドアの使用イメージを想像できるようなブースづくりを行った。正弦波インバーターが一つあるだけで、車の中での生活も不便さを感じることが少なくなるのではないか。キャンプや車中泊の人気が高まっていることも追い風にしていきたい」

ドライブレコーダーは360度録画とWi-Fiモデルを市場投入

リアルタイム表示や設定はスマホで行う

 ―ドライブレコーダーの市場環境は
 「コロナ禍では、外出自粛の影響もあったが、6月以降は好調に推移している。6月末に施行された改正道路交通法では、あおり運転が厳罰化される。あおり運転を立証するためのツール、つまり自分を守るためのツールとして、さらに欠かせないアイテムになるのではないか」

 ―新製品の投入計画は
 「これまでも前後2カメラタイプや駐車監視機能、ナイトビジョンなどの付加価値を付けたモデルを発売してきた。今夏は360度タイプとWi-Fiモデルを発売する。今年の東京オートサロンでコンセプトモデルを発表したがとても好評だった。お客様からの要望が強かった2モデルを発売できることをうれしく思う。われわれが重視するのは販売する方々、例えばディーラーやカー用品店の方々が安心して販売でき、売りやすいものを作ること。だからこそ、発売するときは高品質で使い勝手の良いものを出さなければならないと責任を感じている」

 ―今後の展開は
 「まだ製品化できていないカテゴリーがある。すべてのカテゴリーにおいて、当社の製品が選択肢に入るようにしたい。合わせて、市場ニーズにマッチした製品をいち早く作れるようにしたいと考えている。だからこそ、お客様の要望をスムーズに製品化できるようにマーケティングと技術企画の部署を一本化した。こうしたものづくりのスピードを早めることで、ニーズにマッチした製品を投入していく」