矢野経済研究所(水越孝社長、東京都中野区)は、2019年の自動車アフターマーケット市場規模が19兆3553億円となり、前年報告に比べて約2937億円のマイナスに転じたとする推計結果を公表した。市場内訳は「中古車」「自動車賃貸」「部品・用品」「整備」「その他関連サービス」の5事業。20年の展望については、新型コロナウイルス感染症拡大の影響などで、いずれの事業項目でも規模の縮小を避けられないと見込む。

 同社がまとめた20年版「自動車アフターマーケット総覧」では、19年10月の消費税増税や下半期に相次いだ風水害の影響もあり、自動車流通の起点となる新車販売台数が前年比1・5%減の約519万台だったことを指摘している。中古車は増税前の駆け込み需要や被災車両の代替需要などを受けて登録台数を伸ばしたが、中長期的な自動車保有台数の減少は避けられないとする前年報告の見解に変わりはない。

 このような先行きを見越して市場を構成する各企業が取り組んでいるのが、事業の多角化だという。新車ディーラーは残価設定クレジットの拡販を進めて中古車販売における高年式の下取り車を充実させているほか、中古車販売業者は整備拠点の拡充でアフターメンテナンス需要の確保を図り、カー用品店では車両販売・買い取りを強化している。レンタカーやオートリース、保険商品などの取り扱いを進める事業者も増加傾向にある。このような市場変動が今後も進むことで、新規参入事業者が増加し、市場競争も激化すると分析している。

 また、同社は注目トピックとして、自動車のサブスクリプションサービスを挙げる。所有から利用へとユーザーの自動車への意識が変わりつつある中、自動車メーカーが自らサービス提供に乗り出したことは、「将来的なサブスクリプション市場の拡大を見据えた『種まき』の側面もある」という。市場はまだ「黎明期」にあると見ているものの、自動車賃貸の形で車両台数を増加させ、将来的な新車販売台数の落ち込みを補てんできるかどうか、注目が集まるビジネスモデルだとしている。