国土交通省は17日、今年度の「スキャンツール補助金」の公募を27日から開始すると発表した。予算額は前年度と同額の1億5千万円で、補助上限額は1事業場あたり15万円。公募期間は10月30日までの約3カ月間だが、補助申請の合計額が予算額に達した場合は期間内であっても公募を終了する。今年4月の道路運送車両法の改正で「特定整備」制度がスタートし、先進安全技術のエーミング作業(機能調整)を行うのに必要な「電子制御装置整備」が導入されている。整備業界では電子制御装置整備に不可欠なスキャンツールに対する関心が一段と高まっており、補助金の開始で導入に弾みがつきそうだ。

 補助事業は2020年度の「貨物輸送事業者と荷主の連携等による運輸部門省エネルギー化推進事業費補助金(トラック輸送の省エネ化推進事業及び使用過程車の省エネ性能維持推進事業)」として実施する。国交省は整備事業者におけるスキャンツールの普及を後押しすべく、13年度からスキャンツール補助金を展開している。

 整備業界では特定整備に加え、21年には「車載式故障診断機(OBD)診断」、24年(輸入車は25年)には「OBD車検」が始まる。こうした動きを背景にスキャンツールへの需要は今後も高くなる見込み。スキャンツールメーカーや整備機器商社らが補助金に合わせて積極的な営業活動を展開しており、さらなる利活用に向けた原動力となりそうだ。対象機器、公募要項、申請様式などの問い合わせには、事務局のパシフィックコンサルタンツが担当する。公布決定事業者には8月下旬から順次通知していく。