東日本旅客鉄道(JR東日本)と東京海上日動火災保険は16日、MaaS(サービスとしてのモビリティ)分野で業務提携することで合意したと発表した。提携の第1弾として自動車保険契約者の交通事故後の移動手段としてJR東日本のMaaSアプリ「リンゴ・パス」を提供する実証実験を今年12月ごろに実施する。

 JR東日本は、東京都内のタクシー会社やシェアサイクル事業者と提携して、目的地までの交通手段の検索・予約・決済をオールインワンで提供するMaaSアプリを提供している。東京海上日動と提携して、MaaSサービスに関連する保険商品などを共同で開発する。

 提携事業として実施する実証実験では、保険契約者が交通事故などでクルマが使えない期間の移動手段にMaaSサービスを提供する。クルマを修理するまでの期間、従来はレンタカーを代車として手配していた。ケガなどで運転できない人に、鉄道やバス、タクシーを上限金額内で好きな交通手段を選択できるようにする。MaaSサービスを利用できる期間は2週間程度、上限額は10万~15万円程度を想定している。

 実証実験では交通事故にあった東京海上日動の保険契約者に案内する。MaaSアプリ選択者100人程度に対して利便性などについてアンケートを実施し、新しい保険サービスについて検証する。

 東京海上日動の伊藤直哉専務=写真右=は「MaaSによってリスクや保障のニーズが変わる。それに合わせた商品を提供していきたい」と述べた。