オランダの地図大手トムトムは、公道での実証実験で、同社のADAS(先進運転支援システム)マップを活用し、車速を最適化することで、乗用車の燃費向上を実現したと発表した。実験は、英デルファイ・テクノロジーズと共同で行った。デルファイのADASシステムが、トムトムのADASマップからの周辺情報を活用して、車両前方の道路を予測する。これにより最適な速度での走行を可能とし、実環境下での走行テストで、乗用車で10%超の燃料削減を実現した。

 実証実験では、デルファイのADASシステムと、トムトムのADASマップを搭載したデルファイの車両を使用した。トムトムのADASマップは、速度制限、車線情報、こう配、道路曲率、交通標識など高精度なデータを有する。また、デルファイのADASシステムがトムトムのデータを活用して、エネルギー消費量を削減するための制御を行う。

 例えば、道路の下り坂や制限速度の変更箇所では、車両がトムトムADASマップからそれらの情報を予測し、適宜車速を調整することで、急ブレーキや急加速を最小限に抑える。

 結果として燃費向上を実現するとともに、快適性や安全性も向上させる。