マツダは17日、全面改良したピックアップトラック「BT―50」を公開した。新型車はいすゞ自動車からOEM(相手先ブランドによる生産)供給を受け、ピックアップトラックの自社生産から撤退する。同車を生産するタイ工場では、生産終了後の余力を乗用車に振り分ける。

 BT―50は2006年に登場したピックアップトラックで、オセアニアやASEAN(東南アジア諸国連合)、中南米、中近東、アフリカなどで販売しており、国内未導入モデルとなる。2代目となる現行モデルまでは米フォード・モーターと共同開発し、フォードと共同出資したオート・アライアンス・タイランド(AAT)で生産している。

 3代目となる新型車は、いすゞの「D―MAX」をベースとし、マツダの自社ブランドとして「魂動(こどう)」デザインを採り入れた。20年後半にオーストラリアを皮切りに順次世界で販売していく計画。BT―50の自社生産は現行車で終了し、AATでは世界的に需要が高まっているSUV「CX」シリーズなどの生産を増強する。

 ベースとなるいすゞD―MAXはタイで生産し、世界各国に輸出している。米ゼネラル・モーターズ(GM)との共同開発車だったが、19年秋に登場した現行モデルはいすゞ単独で開発した。マツダへのOEM供給は16年7月に基本合意していた。