ジェイテクトは、変速機やデフユニットなどに用いられる円すいころ軸受の新製品「LFT―V」を開発したと発表した。2022年をめどに量産を始め、燃費や電動系ユニットの効率向上につながるとして国内外の自動車メーカーや変速機メーカーに売り込む。25年には年間170万セットの販売を目指す。

 潤滑油の中で作動する円すいころ軸受けは、油の攪拌(かくはん)損失を減らすことが課題のひとつ。同社は「LFT(ローフリクショントルク)」シリーズとして抵抗の少ない軸受けを開発・販売してきた。

 5世代目に当たる新製品は、樹脂で作る「保持器」の形を工夫したり、油を保持する溝を設けるなどして焼き付きを防ぎながら油の流入量を制御し、攪拌損失を一段と減らすことに成功した。同社の「LFT―Ⅱ」と比べて損失トルクを6割減らし、長寿命化や軽量化も図った。