国内乗用車メーカーは4月28日、2020年3月と2019年度の世界生産・販売実績を発表した。

◆トヨタ自動車の3月の世界生産台数は、前年同月比20.6%減の64万973台となり3カ月連続のマイナスとなった。海外生産は同25.5%減と新型コロナウイルス感染拡大で生産停止した影響が大きい。世界販売は同23.8%減の68万1510台だった。19年度の世界生産は前年度比2.2%減の874万698台、世界販売は同0.9%減946万5868台だった。国内販売はわずかに前年実績を上回った。

◆日産自動車の3月の世界販売は、前年同月比42.6%減の31万5194台だった。マイナスは19カ月連続。北米や欧州が大幅に落ち込んだ。国内外で工場を停止したため、世界生産は26万1975台と同41.4%減少した。19年度は世界販売が前年度比13.2%減の479万1600台、世界生産が同14.5%減の458万2074台となった。

◆ホンダの19年度世界生産は、8年ぶりの減少となる477万3527台(前年度比10.6%減)だった。2、3月にコロナウイルスの影響を受けた中国や欧州が大きく落ち込むとともに、部品の不具合や市場低迷の影響で国内生産も4年ぶりに前年を割った。3月は前年同月比42.6%減の27万5388台。一方、19年度の世界販売は484万8000台で前年度比7.9%減少。好調だった中国は、コロナウイルスで終盤に失速し、7年ぶりに減少した。3月の世界販売は前年同月比43.3%減の28万3000台となった。

◆スズキの3月の世界生産台数は前年同月比22.8%減の21万3159台だった。国内生産は前年超えとなったが、主力のインドが同32.1%減の9万2508台と落ち込んだ。世界販売は同36.3%減の19万8157台、海外販売は同46.5%減の11万9756台となり、新型コロナウイルスの影響で大幅なマイナスとなった。19年度の世界生産は前年度比12.6%減の296万6399台となり、4年ぶりに減少に転じた。海外生産は同15.2%減の217万9280台。世界販売は同14.3%減の285万1564台と4年ぶりのマイナスだった。

◆マツダの3月の世界生産台数は前年同月比20.2%減の11万2388台だった。海外生産は、中国生産が前月より回復傾向を示した一方で、メキシコが月末に生産停止となった影響で同24.8%減となった。世界販売は同32.8%減の10万3416台だった。19年度の世界生産は前年度比8.6%減の143万4204台だった。世界販売は同9.1%減の141万9355台となり、中国販売が2桁減となったことが響いた。

◆ダイハツ工業の19年度世界生産は年度で過去最高となる前年度比0.4%増の171万622台だった。インドネシア、マレーシアは減少したが、「ロッキー」など登録車の国内生産が同23.9%増と大幅に増加した。世界販売は同4.5%減の103万5082台。3月も国内生産が好調で世界生産は前年同月比4.0%減の14万5991台と高水準を維持したが、世界販売は海外販売が急減し、合計で同21.3減%の9万545台だった。

◆スバルの19年度の世界生産は、前年度比4.2%増の103万912台と3年ぶりに前年を超えた。前年が部品の不具合などで減産していた国内生産が反動で増加した。新型コロナ禍が広がった3月も国内生産は6万1888台と前年同月に比べて9.4%増加した。ただ、通期の世界販売は米国が12年ぶりに前年を割るなど減少し、前年度比4.8%減の100万2836台となった。3月は前年同月比39.5%減の同5万9514台だった。

◆三菱自動車の19年度世界販売は3年ぶりに減少した。前年度比9.4%減の112万6847台だった。インドネシアで「エクスパンダー」や中国で「アウトランダー」が減少した。世界生産も3年ぶりのマイナスとなる同7.2%減の133万7399台と落ち込んだ。3月の世界販売は米国、中国の台数を落とし、前年同月比47.4%減の7万7927台と大幅に減少。世界生産は、中国が減少したものの、国内生産が前年同月を約15%上回り、合計12万4234台と同4.1%のマイナスにとどめた。