二輪駐車場は増えてはいるが…(東京都内)
海外では路上スペースをうまく活用している(イタリア)

 日本自動車工業会は二輪車の駐車場に関する調査結果をまとめた。道路交通法の改正で〝駐車難民〟が問題化してから14年。業界の働きかけもあり、時間貸しの二輪駐車場は1万8千拠点以上(日本二輪車普及安全協会調べ)にまで増えた。しかし、ライダーの6割が駐車場に不満を持ち、路上駐車場や最寄り駅などでの新増設を望んでいることがわかった。昨年の二輪車販売(原付二種以上)は約23万台と緩やかながら2年連続で増えた。二輪車市場の活性化に向け、駐車場が果たす役割はなお大きい。

 機動性に富み、占有スペースも小さい二輪車だが、実は駐車場法で自動二輪車の明確な規定は長らく存在せず、ライダーは路肩や歩道などに停めていた。当時はさほど問題視されなかったが、2006年の道交法改正で四輪車とともに二輪車の駐車取り締まりが厳しくなると様相は一変。行き場を失った二輪車が続出し、新車販売の足かせになるほど深刻な問題となった。

 危機感を高めた自工会は行政への働きかけを始める。駐車場法や道路法などが相次ぎ改正され、二輪駐車場の整備がようやく進み始めた。大型の商業施設やマンションにも専用スペースが設けられ、時間貸しの駐車場も増え始める。日本二輪車普及安全協会は、インターネットで登録駐車場を検索できる仕組みを設けており、今では1万8820カ所の時間貸し駐車場が掲載されている。

 自工会は、東京都と地方都市圏(埼玉県、千葉県、神奈川県、愛知県、大阪府、福岡県)に住む19歳以上の中から①二輪車利用者で過去1年以内に有料駐車場を利用した経験がある人(700人)、②免許を持つものの、現在は二輪車に乗っていない人(300人)の合わせて1千人を選び、利用実態や意向などを調査した。この結果、東京、地方都市圏とも①の6割以上が駐車場の拠点数に不満を持ち、駐車場が充実することで積極的に二輪車を利用するようになると考えていることがわかった。また、②でも駐車場が充実することで東京在住者の44・9%、地方都市圏在住者の52・7%が「二輪の利用を検討する」と答えた。

 駐車場が欲しい場所を訪ねたところ、①の東京在住者では「目的地のそばの道路上」「趣味や遊びのスポットがあるエリア」などが多く、地方都市圏在住者では「自宅の最寄り駅」「目的地のそばの道路上」などが多かった。また、便利だと思う駐車場では「バイク専用のコインパーキング」「バイク専用の路上駐車場」の支持が高かった。一方、利用しにくい駐車場の筆頭に挙げられたのは、時間制限がある「パーキングメーター(時間制限駐車区間)」だった。

 増えてきたとは言え、保有1千台当たりの駐車場台数を比べると、四輪車の65台に対し、二輪車はわずか10台(16年度末、国土交通省調べ)しかない。目的地で利用する駐車場のほか、都市部の集合住宅などで保管場所となる駐車場の不足も見逃せない問題だ。自工会は引き続き、駐車規制の見直しや、集合住宅への二輪車駐車場附置(ふち)義務化を求め、利用環境の改善に力を入れていく考えだ。

(畑野 旬)