運転席と後部座席に仕切り版を設けることで飛沫感染を防止
感染者の搬送用車両

 ホンダは14日、新型コロナウイルスの対策として感染者の搬送用車両やフェイスシールドを生産すると発表した。搬送用車両は感染拡大地域の自治体に早期に50台納車し、フェイスシールドは5月末までに医療現場に供給する考え。自動車の生産技術や製造設備を活用し、感染拡大の防止を支援する。

 感染者を搬送する車両は、運転席と後部座席の間に仕切りを設置するとともに、エアコンによる外気の導入と後部座席の排気で前後席空間に圧力差を発生させることにより、飛沫感染を抑制する。ベース車となる「オデッセイ」や「ステップワゴン」を生産する埼玉製作所狭山工場で仕立てる。4月13日に港区や渋谷区に納車を完了し、今後も各自治体に納車する。

 一方、フェイスシールドは、樹脂成型や金型の技術を活用し、ものづくりセンター栃木や鈴鹿製作所で生産する。すでに試作品の製作は完了しており、社内での活用を開始しているという。生産準備を進めて医療現場に無償で提供する。このほか、医療現場での不足が懸念される人工呼吸器も生産支援を視野に検討を進める。

 自動車メーカーではトヨタ自動車が7日にフェイスシールドやマスクなどの医療物資の生産や調達に乗り出すと発表した。他の自動車メーカーも前向きに検討しており、今後も支援を表明する動きが続きそうだ。