新型コロナウイルスの感染が自動車業界にも広がっている。6日までにトヨタ自動車と日産自動車の社員で新たに感染者が見つかった。厚生労働省によると国内の新型コロナ感染者数は5日までに3569人に上る。感染者数が急増する中、メーカー各社はテレワークや自宅待機などの対応を進めている。

 トヨタは、元町工場(愛知県豊田市)に勤務している20代の男性社員1人が新型コロナウイルスに感染したと6日までに発表した。職場での濃厚接触者はおらず、同社は消毒作業の上で、生産を続けている。

 該当社員は3月30日に発熱後、自宅待機していたが、4月2日に救急搬送され、新型コロナウイルスへの感染が4日に判明した。ただ、3月26、27日に年休を取得していたため、25日以降は出社していないという。職場での濃厚接触者はいないが、トヨタは社員寮で一部の居室スペースを共有している社員2人を14日間の自宅待機とした。

 トヨタは3日から高岡工場やトヨタ九州などで生産調整に入っているが、元町工場は通常稼働している。

 日産は、横浜市西区の本社に勤務する従業員1人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。保健所は本社での濃厚接触者はいないと判断しており、6日午前11時時点では本社を閉鎖する予定はない。感染した従業員は、3月23日に体調不良となり、PCR検査を実施した後、4月4日の夜に陽性反応が確認された。3月20日以降、会社には出社していなかった。

 日産は、神奈川県の要請を踏まえ27日以降、生産工場を除く神奈川・東京の事業所の社員を原則在宅勤務としている。