GMのEVプラットフォーム
ホンダ独自のプラットフォーム

 電気自動車(EV)を巡る自動車メーカーの協業が活発化してきた。ホンダは、米ゼネラル・モーターズ(GM)から北米向けEVの供給を受けることで合意し、トヨタ自動車は中国のEV大手である比亜迪(BYD)と設立した合弁会社の稼働を5月に開始する。現地のパートナーと協業し、コスト競争力を維持した上で、地域ごとに異なる規制やニーズに対応する。

 ホンダは3日、GMのEV専用プラットフォームをベースに外観や内装を自社設計したEV2車種を米国とカナダで2023年をめどに発売すると発表した。バッテリーには、GMとホンダが共同開発した新型リチウムイオン電池「アルティウム」を採用。GMによると、アルティウムは、パウチ型セルを垂直方向にも水平方向にも自由に積載できる。容量は50~200㌔㍗時で、コストは1㌔㍗時当たり100㌦以下に抑えたという。セグメントは非公表だが、北米で需要が拡大するSUVタイプのEVを投入するとみられる。

 米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)と米環境保護局(EPA)は3月31日、21年から26年まで年率1・5%ずつ企業平均燃費(CAFE)と二酸化炭素排出量を改善することを定める新基準を公表した。12年に当時のオバマ政権が定めていた25年までの基準や欧州の環境規制と比べるとハードルは低いが、基準の達成にはEVやプラグインハイブリッド車の拡販が必要となる。

 ホンダには、20年夏に欧州で発売する小型EV「ホンダe」に採用する自前のEVプラットフォームがあるものの、北米では長距離走行の利用ニーズが大きいと判断。単独開発車ではなく、GMとの共同開発車を投入することを決めた。

 一方、トヨタはBYDとの新会社設立を契機にEVの開発を加速し、中国市場のニーズに合わせた車両ラインアップの拡充を図る。両社は19年7月にセダンと低床SUVタイプのEVを20年代に中国市場に投入することを目指す共同開発契約を結んでいた。

 EVの市場規模は最も多い中国でも年間約100万台。中国では補助金の削減が響いて18年実績を割り込んだ。米国や欧州は約30万台と各地域ともに乗用車全体に占める割合はごくわずかだ。競合他社との協業でコスト負担を軽減し、市場に適した車両を投入していく。