GMが開発したEV用プラットフォーム

ホンダは4月3日、ゼネラルモーターズ(GM)からOEM(相手先ブランドによる生産)の電気自動車(EV)の供給を受けることで合意したと発表した。GMのEV用プラットフォームをベースにしたホンダブランドのEV2車種をGMの北米工場で生産し、ホンダの米国、カナダの販売店で2023年から販売する。ホンダがGMからOEM車の供給を受けるのは初めてとなる。

ホンダがGMからOEM供給を受けるEVの2モデルは、GMが独自に開発したリチウムイオン電池「アルティウム」を搭載した第3世代のEV用プラットフォームをベースに、ホンダが外観と内装を独自にデザインして開発する。2機種ともGMの北米の生産拠点で生産し、ホンダの2024年モデルとして米国、カナダで2023年後半に市場投入する。

GMは2020年からシボレー、キャデラック、GMC、ビユイックの全ブランドでEVを発表する予定で、EVシフトを本格化している。デトロイトにEV専用の組立工場を設けるなど、生産体制も整えている。ホンダは北米市場に投入するEVを、GMからOEM車を調達することで規模のメリットを追求し、GMは生産能力を有効活用する。

GMのEV用バッテリープラットフォームは乗用車やSUV、ピックアップトラックなど、幅広い車種に対応できるのが特徴で、独自開発のリチウムイオン電池は大容量のパウチ型セルをバッテリーパック内に垂直にも水平にも積載可能で、車両のサイズやデザインに応じて蓄電容量やレイアウトを柔軟に対応できる。電池容量は50~200kWhで、EVの航続距離を最大で400マイル以上(約640km)にできるという。

ホンダブランドのEV2車種には、GMのコネクテッドサービス「オンスター」のセーフティ&セキュリティ機能を、ホンダのコネクテッドサービス「ホンダリンク」に統合するほか、GMが実用化する先進運転支援技術も選択できるとしている。

ホンダとGMは、次世代燃料電池システムや次世代バッテリーモジュールの共同開発や、自動運転モビリティサービス専用車両の開発など、先進技術領域の研究開発で連携してきた。今回、ホンダはEVをGMからOEM調達することになり、提携関係を先進領域での共同開発から事業領域に一歩踏み込むことになる。